■永遠の歯車■

響く、響く。


『もぅいいかい』と聞こえる幼子の呼び声。


それに答えるは、声にすらならない悲鳴、断末魔。


手を伸ばし、幼子がそれを『止める』。
そしてひたひたと、床を踏み締め近寄る存在。


時折響くは、引き千切り、飛び散らす手足が落ちる音。

その度にケタケタと愉しげに笑う声。



無邪気。


何が、そんなに可笑しいのか。


『だって、生き物がまるで人形のようなんだ』


その子は、いつになく綺麗な微笑みを携えた。
姿も、声も、力も、その面影も。
ああ、全て。



「懐かしい、姿ですね」

少なくとも、『あの人』はこんな風な子供らしさなどは殆ど見せなかったが。


『手を引き千切ると、足を切断すると、内臓を破裂させると、生き物は喚く。でも僕は痛くないんだ。
だから、わからないんだ。』

わからないから、わかるまで、観察しなきゃ。

どの程度で、生き物はその動きを止めるのか。
どの程度で、生き物は指一本しか動かせなくなるのか。
どの程度で、生き物は気が触れるのか。


それを全て知りえたら、何が見えるのか。


どこまでも、無邪気な探究心。


生き物は、死んだらどこにいくのか。



『ねぇ、サフィール。生き物と、音機関の違いって何だろう』


生命の有無。
血肉の存在。
現実で表現する、感情というもの。
肉体を構成する原子同士が結びついた結合体。



『魂って何?』

肉体という媒介を散らせば、儚く消えてしまう不可視の存在。
第七音素の集合体。



『人が死ぬってどういうこと?』



その存在が、世界から消えること。






『…サフィール、お前が死んでも、お前は…死なないよ』

僕がレプリカで、お前の存在を生き長らえさせてあげる。
今のお前が居なくなっても、次のお前は生まれるんだ。


記憶も、思考も、何もかもレプリカに引き継がせれば。
ずっと、ずっと生きていられる。

その存在は、世界から殺されることはない。



『僕はあまり神とかそういうのは信じないけど…僕らは違う形で輪廻転生するんだ。永遠に、自分として生まれ、
自分として…死ぬんだ。』

生き物も、音機関も、同じこと。




『死ぬ事は、怖くないよ。』

“だって、また次の君が居るから。”


彼はそう呟く。


『今のお前は、眠るだけ。あとは、次のサフィールの出番。』



「おやすみなさい。ジェイド」

「おやすみ、サフィール」


交わす言葉。
交わされる口付け。


これが日常。
永遠に続く、歯車。


終わりなんて、始めから用意していない。
禁忌を犯して手に入れた永遠。
その代償は、大きいのか小さいのか。


何人目の私は、それを知る事が出来るのだろうか。



■■■■
意味不明ですね、すみません;orz
理屈とか、そういうの通じさせる気持ちはあったような無かったような;;
とりあえず、意味を理解していただける方いたら嬉しいかも(笑)


ってか最後の方は今日書き足したんですが…よくよく考えたらこれ、先日みた洋画と似てるよ…;;
イーオンフラックスという洋画なんですが(女優が素敵v)こんな感じの話です。いぇい、ネタバレ☆(サイテイ;)

洋画も見て下されば意味通じるかな…うむ;;