[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
■悲と緋とそのツミの甘きコト■ |
*微グロ注意!! はっ… はっ… はぁ…っ 虚無の中を裸足で駆け回る。 ただ、只管に。闇雲に。宛ても無く。 ただただ、重苦しくなるばかりの身体を叱咤して。 「…どうした、その手。」 不意に、手を掴まれた。 「あ…いえ、ちょっと転んだだけです。」 にこりと微笑み、自分の手を引き寄せ取り戻す。 見られ、握られた手の平は血豆で表皮は堅くなっていて、指先は赤く皮膚が薄くなり肉の紅さが分かるほど。 爪は殆ど欠けていた。 「………まぁ、いい。」 アッシュは暫し黙り込んだ後、背を向けた。 個人には他人には絶対不可侵の領域がある。 それに足を踏み入れないという意思表示。 その背を、張り付いたような笑みが見つめる。 日が沈み、月が昇り夜を告げる。 ああ、早くしなければ。 また、自分はあの夢を見るだろう。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 泣き腫らした瞼を無理矢理開き、紅い地を踏みしめる。 其処彼処に転がるは、今日、アッシュが殺めた神託の盾の兵士達の骸。 共に行動をしている限り、彼の罪も自分の罪。 『見ていない』『知らなかった』は通用しない。 この目で、彼らの死に様を見て。 この耳で、彼らの断末魔を聞いたのだから。 知らなかった、はそんな彼らを…いや、散った命を冒涜する行為。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 紅く乾いた地面に膝をつき、両手でその地面を掘る。 がりがりとする音は、地面がを掘る砂の擦過音? それとも、砂粒に抉れ、削られていく自らの爪や指の音だろうか? そんなコトはどうでもいい。 …一ツ…、二ツ…、三ツ…四ツ… あぁ、今日の亡骸は五つだ。 指さし数え、そう考えた。 切られた手や足が、頭の数と違うのはきっと。 それを獣が食べてしまったからなのだろう。 人間も、自然の食物連鎖に加わる生物。 息絶えてしまえば後は土に還るか、肉となる。 そんなコトを思いながら、転がり落ちている頭を両手で拾い上げる。 血と土で汚れているその顔は、生きている内にはしないであろう形相。 死体となって筋肉が強張っているそれを少し強めに撫で、眠りの表情へと変えてあげる。 ―…オヤスミナサイ。 小さく、そう呟いては掘った地中へと還してあげる。 それを、繰り返す。 毎夜、あの人が誰かの命を散らす度にこうして墓を建てる。 亡骸が無い時は、墓標だけを。 自分が殺めた命ではない。 けれど、自分は知ってしまっているから。 あの人と、共に生きると心に決めているから。 (…―あの人の罪は、自分の罪。) 血と泥に塗れた手で、近くに生えていた花を手折る。 名も無き墓標だけでは、死人は浮かばれないと思うから、それをせめて添える。 「…ごめんなさい」 言葉と共に、涙も。 目を逸らさないように、釘で瞼を打ちつけてしまおうか。 耳鳴りが止まない耳だけど、全てを聞き逃す事が無いようにしなければ。 非は、悲へ。 何時になったら、自分は涙を止める事が出来るのだろうか? ―――貴方への愛を募らせる度、帰路を無くす自分が居た。 |
■■■■ 突発的&微グロ文でごめんなさ…;; 因みに一応、自主規制かけたので本当に微グロ。 もうちょっとグロにした方がよかったでしょうか?(ぇ) マッドちっくにしてみたのですが…単にイタイだけかも?(笑)) 因みに、テーマソングはあさきの『ツミナガラ…と彼女は謂ふ』です。マッド系のらぶなので(笑) |