※微グロ注意!!
今、この時を。
この、瞬間を。
ただただ待ち焦がれた。
望んでいた。
白い肌。
閉じられた瞼を飾る睫毛は長く清廉。
無造作に散らばる髪は鮮やかな金を思わせる茶。
見目など私には全てどうでもいいのだが、アレはそれを追求していた。
眠る横顔。
だが、それは息をしていない。
死んでいるのではなく、元から呼吸をしていない。
これから、息をする。
これから、仮そめの生を受けて動き出す。
二人で作った試作品。
でも、完成させたのは私一人。
アレが見ていない内に事を済ませたかったのだ。
譜術の光が暗い部屋に浮かぶ。
ピクリと動いた指先。
息を、した。
そして瞼がゆっくり開かれる。
生物が、息づいた証拠。
生を受けた瞬間。
「HAPPY
BIRTHDAY」
今この瞬間が、お前の誕生。
「そして、おやすみなさい」
そしてこの瞬間が、死。
ぐしゃりと頭蓋を潰され、穢れた音をたてながら崩れ落ちたソレ。
綺麗に作られた顔は、見る陰もなく無惨。
これが、この姿が。
私自身の望んだこと。
この人形は、私だ。
私が死ぬまで、繰り返す。
何度も、何度も。
この血溜まりで床を汚してしまおう。
他ならぬ、『私』の血で。
私の、自死。