■夜空に願いを。■
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わたしはいつもあのおつきさまにおねがいした。 『いつかにんげんになれますように。』 『いつかわたしもあのひととおなじようにごしゅじんさまのそばにいられますように』 やさしい、やさしいごしゅじんさま。 いっしょにあそんでくれて、いっしょにねてくれて、いつもさびしくないようにしてくれる。 せめてありがとう、といえたらいいのに。 だいすきなきもちをつたえられたらいいのに。 ずっといっしょにいたいですって、いえたらしあわせなのに。 「ブウサギさんはお話したいんですの?」 はじめてみたちーぐる。 どうぶつなのに、にんげんのことばをはなしてた。 だから、おねがいしてみた。 『わたしのたからものをあげますから、すこしのあいだだけそれをかしてくれませんか?』 ごしゅじんさまからもらったおもちゃをならべていってみた。 でも、ちーぐるはかなしそうなかおをしてくびをよこにふった。 「ごめんなさいですの…ソーサラーリングはきっとブウサギさんには扱えないですの…」 そういって、ちーぐるはあたまをさげてちーぐるのごしゅじんさまのところへいってしまいました。 『…わたしもごしゅじんさまとおはなしがしたい…』 わたしはかなしいきもちでいっぱいでした。 でも、にんげんみたいになみだはでませんでした。 それがよりつよくわたしのかなしさをかさねていきます。 ごしゅじんさまがねたあと、べっどからおりてそらをながめます。 きれいなきれいなおつきさま。 「…ぶ…」 どうか、わたしをにんげんにしてください。 いのることしかできないのはかなしいけれど。 それでもいのらずにはいられない。 「……ぶぅ…」 わたしは、ずっとごしゅじんさまのそばにいたいんです。 いつか、いつかかないますように。 |
■□■□ ブウサギ→ピオニー(笑) ちなみに一応ジェイド。一時期酷く萌えてました(笑) |