■まるで通い猫のような■
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「こんにちは。」 「……貴方、暇なんですか?」 今日で5回目。 貴方に会えて、5回目。 窓から入るという、見事なまでの侵入者。 だが、誰も彼を捕まえたりなんてしない。 もう、お馴染みという感覚があるからだろう。 「今日は晴れてよかったですね。」 雲が点々とあるだけの、綺麗な青空を仰ぎ見ながら話し掛ける。 『先日は雨で貴方は濡れ鼠でしたから。』 そんな野暮な一言は決して口にせず、飲み込んだとしても相手は敏感な心を持つ人。 すぐさま言葉の裏を思考しては不快そうに眉を寄せる。 「フン、天気なんて関係ありませんよ」 フィ、とソッポを向きながらもちゃんと返事をする。 彼はどんな天気でも時間が作れればやってくる。 懐かしい、顔が見れるこの宮殿へ。 性根が寂しがり屋なんだろうな、と思う。 「それより、ジェイドは?」 「カーティス大佐ならば、今陛下と一緒に議員の方と話しておられます。」 「…ふぅん…」 短い言葉の応酬をしては、互いを見る事無くただ空を見上げる。 私は窓際に立って。 貴方は窓の反対側…の、壁に背を預けて石畳の上に腰を降ろして。 ただ、適当な言葉を洩らしては柔らかな日差しを浴びて静かな時間を過ごす。 今日で、5回目。 この人は、決して自分が引いた線を越えはしない。 カーティス大佐が多忙な時、議会の時などは決して邪魔をしないよう、こうやって大人しく待っている。 勿論、陛下の場合も同じで。 出来るだけ目立たないように、ひっそりと。 何かが降って来るわけでもないのに、静かに空を眺めている。 まるで、無垢なままの子供のようで。 我侭を言う事も無く、ただ、会いたい人が自分を視野にいれられるようになるまで。 気紛れに外を眺めては話し掛けてくる。 「雨。」 ぽつりと呟いたと同時に、小さな雨粒が木々の葉を叩く。 サァア…と音が聞こえてきても、この人は動かない。 先日は外に居たから濡れ鼠。 でも、今日は先日とは違って屋根の下。 それでもまだ外と呼ぶ場所。 「よく降りますね。これだからこの土地は嫌いです」 濡れる事無く、ぼんやりと景色を替えた雨を眺める。 「じきに止みますよ。…此方でお茶などは如何ですか?」 ティーカップに注がれたダージリンが、その温かさを肯定するかのように湯気を立たせる。 肌寒い外、暖かな部屋。 相手を誘う。 室内へと招き入れる条件は整えた。 相手は暫く思案しては迷うも、ゆっくりと室内に足を踏み入れてきた。 「どうぞ?」 椅子を引いて、未だ警戒を解かない相手を呼ぶ。 カーティス大佐や陛下の前では、虚勢を張って叫び散らす相手。 でも、待ってる間はこんなにも大人しい。静か。 一人きり、という感覚が心許ないといったところだろう。 それでも気丈に、凛とした眼差しを維持したまま。 今日で5回目。 今日はここまで気を許してくれた。 まるで、通い猫。 さて、次に会う時はどこまで私を受け入れてくれるのでしょうか? いつか、大佐ではなく私に会いに来てくれる日が訪れることを願ってみた。 |
■■■■ 以前友人に話してたフリングスとディストの話を打ってみました〜…が、どうにも感覚が掴めず微妙…;;; こんな感じで密かな交流が彼等にあったらいいなー的な思いにございます、です。 ゲームしてて、何故フリングスのレプリカが作られたのかとか色々考えまして…情報とかいつ抜き取ったの、とか。 アレコレ考えてたらこうなりました(笑) ベルケンドの研究所にある装置?を踏めば情報がとれるってあったような気がするんですが…、それで考えればイエモンさんやその他 、音機関に携わった者や研究所に入った者のレプリカは情報があるから作るのはわかりますし(イエモンさんに関しては単にルーク達の精神を揺さぶる為?)、マリィさんはホドの情報があったから、だとしたら…フリングスは?なんですよ。ベルケンドはキムラスカ領だし行くこともないだろうし。だから研究所で情報を得るのは困難。 フリングスが襲撃された時にわざわざ出向いて情報をとるのも変な感じですよね?ルーク達の心を揺さぶる為ならイエモンさんがいるし、イオンのレプリカを 新たに作ってもいいし。わざわざフリングスを作らなくてもよかったと思うんですよ。 そうこう考えてたら、フリングスとディストは何かしら交流がある関係だったら…作る意味合いがあるような気がして。ネビリム先生を作る動機と同じ、みたいな。 実際、レプリカ達が集まった場所で戦ってましたしね、ディスト。もし死ぬのならレプリカ達と心中〜みたいな(笑) まぁ、かなり私の趣味が入った考察ですが(笑) 個人的にはフリディス思考でいくと、レプリカと、ではなくフリングスのレプリカと…だと萌え(笑) オリジナルはジェイドの傍で死にましたし☆ |