■朝の習慣。(ピオニー×)


「ん〜…おはよーさん、ジェイド。」

 

そう言いながら、寝ぼけた目を擦り。
鼻先に軽くキスをするマルクトの皇帝。

 

「お、サフィール。お前も起きたのか〜。よしよし…」

 

そしてまた、キス。

 

 

「………。」

目の前の光景を、布団に潜ったままジト目で眺めること数分。
ようやく戯れに気が済んだのか、ピオニーは目線をベッドに向けてきた。

自分は二の次、三の次ですか、と思わず内心で毒づく。

 

「お、ギンジも起きたのか。おはよーさん♪」

にへら、と笑いかけてくる頃にはもうピオニーの目は覚めている様で。
それが余計に腹立たしい。

「どーした?…何かやけに不機嫌そうだな?」

困ったような笑みを見せながら、ピオニーがあやすようにギンジの頭を撫でた。

「……何でもないです・・」

尖らせた口先はベッドシーツに埋もれさせたままで良かったと思う。
でも、不機嫌さは隠せない。

だから、寝返りを打って背を向けてやった。

 

「ギンジ?」

おーい、と機嫌を伺うように肩を揺らしたり、頭を撫でたり、頬を突付いてきたり。
それでも頑なに不機嫌を貫いてやると、背後からは困ったような溜息。

 

朝のテンションは寝起き次第。

いつもは普通に起きれるけど…少しでも不機嫌になったらずっと不機嫌。
今日は、その中でも超がつくほど不機嫌だった。

 

「ギンジー?ギンちゃーん??」

 

それでもめげずに声を掛けてくるピオニーに、少しだけ、ギンジも心も揺れる。

 

「……。」

むぅっとした表情は崩さないまま、とりあえず振り向いてみる。

「ん?どーした?」

そんなギンジの額にキスを落としながら、ピオニーが問い掛ける。

 

「…どーせオイラはブウサギよりも後ですよ…」


ピオニーのこの習慣が、朝一番の不満。

 

 

それを聞いた瞬間、ピオニーは軽く目を丸くするも、すぐに破顔した。

「…嫉妬?」

くす、と軽く笑いながら問い掛けてくるピオニーに、ギンジは頬を少し赤く染めると、
一層口を尖らせた。

「…可愛いなー、お前。」

愉しげに言いながら、ピオニーはギンジの尖った口先を指でぷにぷにと突付く。
そして珍しく刻まれた眉間の皺に、唇を寄せた。

 

「じゃ、今度からは一番にキスしてやろう」

「………」

我ながら子供じみた我侭を言ってしまったな、と自分の行動に恥じ入るも、
ギンジは素直にピオニーの言葉に小さく頷いた。

 

 

 

新しい、朝の習慣が出来た朝。

 

 

 

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何ですかこ の 甘 い SS は…!!!
;;
でもまぁ、個人的に拗ねるギンジが可愛くて仕方ないのですよv
愛い奴め〜vvv(ハァハァ/笑)

それでは、読んで下さって有難う御座いました★
…因みに、↓に小話が少々御座います(笑)

 

 







▼その後の会話。

「ん〜…朝一番はお前に決めたとしても、お前がいつもここで
寝泊りしてるわけでもないしなぁ…」

「その時は普通にブウサギにしたらどうですか?」

「いや、俺は一度決めたら実行したいんだ。」

「でもオイラ、仕事あるから毎晩こっちに来るわけにも…」

「…そうだ、絵師にお前の肖像画でも描かせよう!
で、俺の絵も描かせてお前に送れば…毎朝実行できるな+

「………大人しくブウサギにキスしてて下さい//;」


…バカップル状態。(笑)